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scriniarius Togawanus

復習がてら古典作品の対訳を書くだけです。

CIL V 606

同じく今日のゼミで扱われた墓碑銘です。

 

C. Hotilio C. f.

Flugioni

C. Hostilio C. f.

Nepoti f(ilio)

L. Mutillio L. l.

Nimphodoto f(ilio)

Hostilia C. l.

Provincia

v(iva) f(ecit).

 

C. = Gaius, L. = Lucius, f. = filius, l. = libertoですので、上から訳すと

 

ガイウスの息子ガイウス・ホティリウスのために

フルギオヌスのために

ガイウスの息子ガイウス・ホスティリウスのために

ネポスのために、息子のために

ルキウスの解放奴隷ルキウス・ムティッリウスのために

ニンフォドトゥスのために、息子のために

ガイウスの解放奴隷ホスティリアが

プロウィンキア

生きている者が成した

 

謎です。

 

まずローマ人の名がpraenomen(男性のみ)- nomen-status(C. f.とかC. l.とか)-cognomenになることを考えると、登場人物は

①ガイウスの息子ガイウス・ホスティリウス・フルギオヌス

②ガイウスの息子ガイウス・ホスティリウス・ネポス

③ルキウスの解放奴隷ルキウス・ムティッリウス・ニンフォドトゥス

④ガイウスの解放奴隷ホスティリア・プロウィンキア

の四人となります。

となるとNepotiやNimphodotoの後ろのf(ilio)は何だということになりますが、結論を先に言うとホスティリア・プロウィンキア(④)の息子ということらしいです。

ホスティリア・プロウィンキア(④)を解放したガイウスというのはガイウス・ホスティリウス・フルギオヌス(①)で、この二人が結婚し、生まれた息子がガイウス・ホスティリウス・ネポス(②)になるのだそうです。市民と解放奴隷の間に生まれた子は市民となるので、確かに辻褄はあります。

で、ルキウス・ムティッリウス・ニンフォドトゥス(③)は誰だということになると、ホスティリア・プロウィンキア(④)が解放奴隷になる以前にもうけた息子ということになり、彼は母親が解放される前だったので、奴隷身分となります。ルキウス・ムティッリウス・???さんが彼を解放したのち、同居したということなんでしょうか?

 

要点を言うと、

①が④を解放して結婚して②が生まれた。

③は④が解放される以前に生まれた子である(②③は異父兄弟)。

ということですね。

 

名前のつけ方だけでここまで推測できるのは面白いですが、ローマ人には名前のつけ方を改めていただきたかった次第です。(そもそも名前のヴァリエーションが少ないしね)

 

以上最初の墓碑銘を適宜補って全訳するとこんな感じでしょうか?

 

ガイウスの解放奴隷ホスティリア・プロウィンキアが存命中に建てた;

ガイウスの息子ガイウス・ホスティリウス・フルギオヌス、ガイウスの息子ガイウス・ホスティリウス・ネポス、そしてルキウスの解放奴隷ルキウス・ムティッリウス・ニンフォドトゥスのために。

 

お母さんだけ生き残ってしまった何かがあったんでしょうかね…