『ギリシア語入門』(田中美知太郎・松平千秋):練習問題の解答案
古典ギリシア語を最初から学習する上では,『ギリシア語入門 新装版』(田中美知太郎・松平千秋)をはじめに1周するのが(結構前から)セオリーのようです。
僕も授業で購入して取り組みましたが,非常にわかりやすく,安定して安価に入手できる入門書ですが,一点練習問題の解答がないのに困りました(まあ独習書というよりは教科書だからなんでしょうが...ちなみにネットで探したらあるにはあったのですが,気息記号やアクセント記号がないのと,入力ミスがちょくちょくありました)。
久しぶりに解き直してみることにし(ほとんど吹っ飛んでしまいました),せっかくですので解答を打ち込んで上げてみることにしました。全部終わるのはいつになるかわかりませんが,少しずつ増やしていきます。(間違いが多いと思いますのであまり信用なさらぬように...;見つけたら教えて下さい)→以下のログをご覧になるとわかりますが,セルフチェックでも恐ろしいまでのミスが見つかっています…
下記内容のPDFファイルはこちら(8/27/2018に変更しました)↓
https://drive.google.com/file/d/1QDG_Ad5-dl8Mb61A3iNZp0YPNjfO7gaz/view?usp=sharing
田中美知太郎・松平千秋 『ギリシア語入門』解答案
注意1:長母音の上線とアクセント記号,或いは気息記号は同時に打てないので,アクセント記号・気息記号を優先しています。そのような語の後ろには «*» の記号を附しています(«τὰς»については省略しました)。
注意2:「その」「この」などは,定冠詞に関しては訳出せず,指示代名詞が用いられている場合のみ特に訳出しています。(文脈上あったほうが自然な場合はその限りではありません。)なお和文希訳の際に和文において「その」等があった場合は必ず指示代名詞で訳出します。また,複数形の訳出は多少曖昧になっていますのでご容赦ください。
注意3:a (b) はaとbが可換であることを示します。a (b) は a でも a b でも構わないことを示します。
練習問題4
- あなたは書く。
- 我々は命ずる。
- あなた達(彼ら)2人は信ずる。
- 彼らは逃げるのか?
- あなた達は扉を閉める。
- 何故あなた達は逃げるのか?
- 私は言うのではなく,書くのである。
- 彼はどのようであるか?(彼の調子はどうか?)
- 彼は良い状態ではなく,悪い状態である。
- 彼は言うだけでなく,信じもするのである。
練習問題5
- πιστεύουσιν.
- κελεύετε.
- γράφει;
- τί κλείεις τὴν θύρᾱν ;
- ού μόνον γράφουσιν, ἀλλὰ καὶ λέγουσιν.
練習問題6
- その家々の中には扉がある。
- 彼らは暴力に屈する。
- その国の中に家々があった。
- 夕方には家の影は伸びる。
- 知慧は幸福の扉である。
- 家は扉を持っている。(家には扉がある)
- なぜあなた達は軍隊をその国へ送らないのか?
- 何故あなたは昼に家の扉を閉めるのか?
- 不正は災いをもたらす。
- 欲望は幸福を害する。
練習問題7
- ἔχει έν τῇ χώρᾳ τὴν οίκιᾱν.
- οὐκ εἴχει τῇ πίᾳ.
- ἄγομεν εἰς τὴν χώρᾱν τὴν στρατιάν*.
- τῆς ἡμέρᾱς οὐ ἡ τῶν οἰκιῶν σκιὰ* προτείνει.
- οὐ ἡ ἀδικίᾱ τὴν εὐδαιμονίᾱν φέρει, ἀλλὰ τὰς συμφοράς*.
練習問題8
- 勝利とは善いものだ。
- 知識は魂の糧である。
- 名声は徳の影である。
- 勇気は勝利の原因である。
- 彼女は美しい声を持っている。
- 森のなかで静寂は怖ろしい。
- あなた達は勇敢に苦悩と加害に耐える。
- 苦悩はしばしば快楽と欲望の罰である。
- 快楽の欲望はしばしば不正と不幸へと繋がる(導く)。
- 何故あなたは手紙を姉妹に書かないのか?
- しかし勝利は戦いの終りと平和の始まりをもたらす。
練習問題9
- ἡ τῆς ἀδελφῆς φωνὴ καλή.
- εἴχει πολλάκις ἡ δίκη τῇ ἀδικίᾳ.
- ἡ ἑσπέρᾱ τερευτὴ τῆς ἡμέρᾱς.
- φέρουσιν ἀνδρείως τὰς* λύπᾱς*.
- δεινὴ ἡ τῆς ἀδικίᾱς ζημίᾱ.
練習問題10
- あなたは導くだろう。
- 我々は説得するだろう。
- 彼らは残すだろう。
- あなた達(彼ら)二人は持つだろう。
- 我々は暴力に屈しないだろう。
- 明日我々は姉妹たちに手紙を送るだろう。
- あなたはアゴラの中へ軍隊を導くだろう。
- そこで彼らは家々の扉を閉めるだろう。
- あなた達は勇敢な守備隊を有するだろう。
- 村からあなたは守備隊を導かないだろう。
練習問題11
- γράψουσιν.
- ἐν τῇ οἰκίᾳ γράψει τὴν ἐπιστολήν.
- στρατιὰν* ἕξουσιν ἀγαθήν.
- ἐκ τῆς ἀγορᾶς πέμψει τὴν φυλακήν.
- ἱππεύσω οὖν εἰς τὴν χώρᾱν.
練習問題12
- 徳は名誉と名声とをもたらす。
- 我々は蜜蜂の勤勉に驚嘆する。
- 彼らは車の上にテーブルを導く(載せる)。
- お喋りの放埒は過失を生む。
- 姉妹は海際に家を持っている。
- 彼らは泉の傍にて美しい鞠で遊ぶ。
- テーブルの上にリュラがあった。
- 我々は名声ではなく真実に従って判断する。
- ミューズたちはリュラとキタラとを好む。
- 貧乏ではなく不正が心配の根である。
練習問題13
- θαυμάζουσι ταῖς τέχναις τῶν Μουςῶν.
- τί οὐ κρίνετε* κατ΄ ἀλήθειαν;
- τῑμὴ καὶ δόξα ταῖς ἀδελφαῖς άρέσκουσιν.
- χορεύουσιν οὐκ ἐν τῇ ὀρχήστρᾳ, ἀλλὰ ἐπὶ τῆς ἁμάξης.
- παρὰ τῇ θαλάττῃ παίζομεν σφαίραις.
練習問題14
- 詩人は知慧の故に名誉を持っている(尊敬されている)。
- 召使は主人の手紙をソフィストに与える。
- トゥーキューディデースとエウリーピデースはアナクサゴラースの弟子たちであった。
- 海の平穏は水夫たちですら気に入る(水夫たちですら海の平穏を気に入る)。
- 我々は立法化たちを恩恵者とみなす。
- ペルシアに対しての戦いは怖しい。
- 市民たちは兵士たちを信じない。
- 若者よ,なんと手紙の長いことか!
- 兵士たちよ,君たちは良い短剣を持っているな。
- 市民たちの敬虔,兵士たちの勇気,そして裁判官たちの正義の中に国家の安全が存在する。
練習問題15
- τῑμὴν ἔχουσιν οἱ πολῖται διὰ τῆν ἀνδρείαν.
- τῷ δεσπότῃ ἀνοίγουσιν οἱ οἰκέται τῆν θύρᾱν.
- ὡς θαυμαστὴ ἡ τοῦ ποιητοῦ σοφίᾱ.
- τοὺς στρατιώτᾱς νομίζεις τῶν πολῑτῶν εὐεργέτᾱς, ὦ ποιητά;
- τί οὐ πιστεύετε τοῖς σοφισταῖς, ὦ πολῖται;
練習問題16
- 我々は扉を叩いていた(叩こうとしていた)。
- 彼ら(私)はその国に軍隊を送らんとしていた;というのは,ペルシア人たちが近づきつつあったからだ。
- 何故あなたは家々の扉を閉めようとしなかったのか?
- 召使いはソフィストをアゴラへと引率していた。
- しかし何故君は若者に手紙を書いていなかったのだ?
- 詩人は静かにしていることを好んでいた(静かにしていることは詩人の気に入っていた。)
- 主人たちは召使いたちを信じていたか?
- 果たしてあなた達は弟子たちの勤勉に驚嘆していたか(を称賛していたか)?
- その兵士は徳の故に名誉を持っていた(尊敬されていた)。
- 弟子たちは車の上にテーブルを導いていた(載せていた)。
練習問題17
- ἦγον τὸν Ἑλληωικὴν στρατιὰν* εἰς τὴν χώρᾱν.
- τίς χθές ἔκρουε τὴν τῆς οἰκίᾱς θύρᾱν;
- οἱ ἀκροᾱταί πρὸ τῆς οἰκίᾱς ἡσυχίᾱν ἦγον.
- ἠθέλον ἐπὶ τῆς σκηνῆς χορεύειν καὶ ἄδειν οἱ νεᾱνίαι.
- ἐγράφον ἐν τῇ οἰκίᾳ τῷ ποιητῇ τὴν ἐπιστολήν.
練習問題18
- 時は労苦の医者である。
- 奴隷たちは主人たちに仕える。
- 葡萄の木々は太陽を喜ぶ。
- 汝らは友人たちの言葉を信じないのか?
- アテーナイ人たちは諸法を石に記す。
- 我々は人間の性格を危険の中に識るのである。
- 汝は生活の労苦を知らない。
- 奴隷たちは畑から家へと収穫物を運んでいた。
- 農夫たちは畑と樹木の収穫物を労苦の報酬として得ていた。
- エジプト人達は太陽と月を神々とみなしていた。
練習問題19
- οἱ μαθηταί τούς τοῦ διδασκάλου λόγους πιστεύουσιν.
- τοὺς ἀνθρώπους οἱ νόμοι παιδεύουσι.
- θαυμάζουσιν τὰ τῶν θεῶν ἔργα οἱ ποιηταί.
- ποῖ φέρεις τοὺς τοῦ άγροῦ καρπούς, ὦ γεωργέ;
- οἱ νεᾱνίαι οὐκ ἐνόμιζον τὸν ἥλιον εἶναι θεόν.
練習問題20
- 長い道がアテーナイへ通じている。
- 魂は不死である。
- 哲学者アリストテレースは,一方では教育の根は苦く,他方でその果実は甘いのだと述べていた。
- 良い樹木は良い果実をもたらし,他方悪い樹木は悪い果実をもたらす。
- 汝らは恐ろしい危険から水夫たちを救っていた。
- ただ神々のみが憂いのない生活を送る。
- 我々は悪しき者に対しての戦争において神々を戦友として持つ。
- 君は貧乏を小さな(取るに足らない)災いとみなさないのか?
- ソフィストは徳が勤勉に値すると書いている。
- 神さえも正しい仕事を援助する。
練習問題21
- ὀρθίᾱ ὁδὸς φέρει τὴν χώρᾱν.
- οἱ πολῖται ἐνόμιζον Εὐρῑπίδην τὸν ποιητὴν εἶναι σοφιστὴν.
- τοῦ ἐπαίνου ἀξίᾱ ἠ τῶν μαθητῶν σπουδή.
- ἐν τῷ πολέμῳ (τῇ μάχῃ) συμμάχους ἕξουσιν τοὺς Ἀθηναῖους.
- νομίζουσιν καὶ οἱ νεᾱνίαι τὴν ψῡχὴν εἶναι ἀθάνατον.
練習問題22
- アリステイデースは他のアテーナイ人たちより正義・節度・敬虔において優っていた。
- 善き者の魂は死後,浄福の島において暮らしていた。
- 川に沿って小さな村々があった。
- 夜明けに夷狄がアゴラへと侵入してきた。
- 狭い道が平野を通ってその村まで通じている。
- 一方で美しい人たちは美へと導くが,他方悪人たちは悪へと導く。
- 市民たちは勝利の故に祝宴を執り行っていた。
- 私はアテーナイから,先生の元から来た。
- 汝らは神々と共に若者達を恐ろしい危険から救うだろう。
- 神々さえも正しい人間たちを助けていた。
練習問題23
- αὔριον ἐν ταῖς κώμαις τὰς ἑορτὰς* ἄξουσιν.
- σὺν τοῖς στρατιώταις πρὸς τοὺς πολεμίους ὁ στρατηγὸς ἀφίππευε*.
- πρὸ τῆς οἰκίᾱς ἐχόρευον σὺν ταῖς ἀδελφαῖς.
- ἧσαν παρὰ τὸν ποταμὸν αἱ τῶν γεωργῶν οἰκίαι.
- ἐσυγκόμιζον οἱ οἰκέται τοὺς τῶν ἀγρῶν καρπούς.
練習問題24
- アポルローンは円盤によってヒュアキントスを殺した。
- 彼らは長い習慣を短い時間で廃止した。
- 将軍たちは兵士たちに敵を追うことを命じた。
- 汝らはすべての種類の動物達を神々に対して犠牲に捧げた。
- ソークラテースは涙とともに陪審員たちに嘆願するようなことはしなかった。
- 夕方に私は家の戸を叩いた。
- 君は徳が熱心な取り組みの価値があるということをソフィストから聞かなかったのかね?
- 我々はただ真実へとのみ視線を注いだのであった。
- 私は屢々若者の徳に驚いた。
- そしてダレイオスの息子クセルクセースはダレイオスの死後,ペルシア人たちを治めた。
練習問題25
- ἐκελεύσαμεν τοὺς οἰκέτᾱς φ΄ρειν τὴν τράπεζαν εἰς τὴν οἰκίᾱν.
- κατέλῡσαν τὰς γεφύρᾱς* ἐν μῑκρῷ κρόνῳ οἱ πολέμιοι.
- πρὸ τοῦ δείπνου ἐθύσαμεν* τοῖς θεοῖς.
- ἐθαύμασαν τὴν ἀνδρείᾱν τῶν Ἀθηναίων οἱ πολεμίοι.
- ἔπεμψε τοῖς στρατιώταις τοὺς μισθοὺς μετὰ τὴν μάχην ὁ στρατηγός.
練習問題26
- 私は人々に良いことを忠告したが,彼らは私の言葉を(結局)信じなかった。
- 我々は若者達が傲慢に振る舞うことを防止しきった。
- 教師は徳へ向けて弟子たちを教育しきった。
- 娘は長い手紙を書き終えていた。
- その人は将軍たちを悪く言っている。
- 市民たちは僭主をして支配を止めさせたのであった。
- 三十人会は祖国の諸法を廃止してしまっている。
- 水夫たちは今や祖国の神々に犠牲を捧げ終えている。
- 三十人会はアテーナイ人達を力ずくで支配し,今や民主政を廃止してしまっている。
- 我々は村々を通って海へ向けて敵を追った。
練習問題27
- γέγραφα ἤδη τῷ διδασκάλῳ τὴν ἐπιστολἠν.
- οὐ μόνον τὴν γέφῡραν ἀλλὰ καὶ τὰς οἰκίᾱς ἤδη κατελελύκεσαν οἱ βαρβάροι.
- πεπαύκαμεν ἤδη τοὺς πολεμίους τῆς μάκης.
- κακῶς πεπαιδεύκατε τοὺς νεᾱνίᾱς, ὧ Ἀθηναῖοι.
- τέθυκας ἤδη τοῖς θεοῖς;
練習問題28
- かの娘はなんと美しいことか。
- その行為は恥ずべきである。
- 召使いたちは畑からこの村へと収穫物を運んでいた。
- その若者は勇敢であり,しかしかの若者は役に立たない。
- その人はなんと恐ろしいことを言うのか;兎も角彼の言葉は恐ろしい。
- たとえ同じことについて書いていても,彼らは同じ思想を持っていなかった。
- その主人自らそれらの後に,その家へ奴隷たちが机を運ぶのを命じた。
- 我々はまさにその戸々のそばで彼に遭っていた。
- 同じ原因から常に同じことが結果として生じるわけではない。
- 将軍たち自らがかの神々に犠牲を捧げ終えている。
練習問題29
- ἐν τῇ ἐπιστολῇ τόδε γέγραφε οὗτος ὁ ποιητής.
- ἐκεῖνοι οἱ στρατιῶται ἅμα τῇ ἡμέρᾳ ἐκ ταύτης τῆς κώμης ὲφευγον.
- ἐκέλευσε τοῦτον τὸν νεᾱνίαν τοῦτο πράττειν* ὁ διδάσκαλος αὐτος.
- οὐκ ἀεὶ ἔχομεν τὰς αὐτὰς* διανοίᾱς περὶ τὰ αὐτά (ταὐτά).
- τῆς ἑσπέρᾱς ᾔδον καὶ ἐχόρευον πρὸ τῆς οἰκίᾱς αὐτῆς οἱ νεᾱνίαι.
練習問題30
- 神々は次の2つのものを人々に与える;それは真実を言うことや善を為すことである。
- 神々は苦労なしには善きもののうちの何らも人々に与えない。
- 我々は悪に対して悪を以て報いる。
- 果たして汝らは国を侵されぬものとして子供たちに手渡さないのか?
- 何故君はその行為について言葉を与えないのか?
- 兵士は戦いにおいて勇敢さの証を示す。
- 神は理性を与え,富は(それを)与えない。
- 汝らの持つ善きものの中から友人たちに分け与えよ;なぜなら友人たちのものは共通のものであるからだ。
- 人間たちは諸法を犯し,罰せられる。
- 各々の日に(毎日)神は人々に無数の善きものを与える。
練習問題31
- τὸ καλὸν ῥόδον τῇ κόρῃ δίδωσιν.
- δίδωσιν τοῦτο τὸ δῶρον ὅδε ὁ ἄνθρωπος, οὐκ ἐκεῖνος.
- μεταδίδομεν τῶν ἡμετέρων ἀγαθῶν τοῖς ἄλλοις.
- ἁρπάζουσιν οἱ κακοὶ στρατιῶται ταύτην τὴν χώρᾱν καὶ δίκην διδόᾱσιν.
- ἀποδιδόᾱσιν ἀντὶ κακοῦ ἀγαθὸν οἱ ἀγαθοί.
- 163
- 一方で善人は心の良き宝庫から善を取り出し,他方悪人は心の悪しき宝庫から悪を取り出す。
(参考[文語訳聖書]:善き人は心の善き倉より善きものを出し、惡しき人は惡しき倉より惡しき物を出す。) - 神とは仁愛であり,そして仁愛に留まるものは神に留まる。神もまた彼の中にある。
(参考[文語訳聖書]:神は愛なり、愛に居る者は神に居り、神も亦かれに居給ふ。) - あなたたちはあなたたち自身のために宝を地の上に蓄えてはいけない,そこでは染みと腐食が損ない,そしてそこでは盗人たちが掘って忍び込み,盗み出す。しかるにあなた達自身のために宝を天に蓄えなさい。そこでは染みも腐食も損なわず,そしてそこでは盗人も掘って忍び込まず盗み出すこともない。というのもあなた達の宝があるところ,そこには心もまたあるであろうからだ。
(参考[文語訳聖書]:なんぢら己がために財寶を地に積むな、ここは蟲と錆とが損ひ、盜人うがちて盜むなり。なんぢら己がために財寶を天に積め、かしこは蟲と錆とが損はず、盜人うがちて盜まぬなり。なんぢの財寶のある所には、なんぢの心もあるべし。)
練習問題32
- 時間は人々にとって苦悩の医者である。
- 法とは国家の魂である。
- 神々にかけて我々は大地のどこの部分にいるのだろうか?―今や我々は村の近くにいるのだよ
- 私はこのことに対する責任がない;というのも,その時期には私はまだ子供であったからだ。
- かつて,一方では神々がおり,他方では死すべき者がいない時代があった。
- ナイルはエジプトの河である。
- 教育とは,一方で成功における飾りであり,他方で不成功における避難所である。
- 果たして汝は強くあるのか,若者よ?―確かに私は強くありますよ。
- その人は死に値すると彼は言うのである。
- 彼らは,ソフィストは手紙を書かないという(彼らはソフィストが手紙を書くということを否定する)。
練習問題33
- λύπης* αἰτίᾱ εἰσὶν πολλάκις αἱ ἡδοναί.
- ἦν ποτε χρόνος ὅτε ἀλύπους* βίους ἦγον ὡς θεοὶ οἱ ἄνθρωποι.
- ὁ δικαστής φησι ἐκεῖνον ἄνθρωπον τουτῶν αἴτιον εἶναι.
- θανάτου ἄξιοι οἱ προδόται οὗτοι εἰσίν.
- ἕτοιμοί ἐστε, ὦ ναῦται;
練習問題34
- 彼らは今この時に何の祝宴を執り行うのですか?-客人よ,ヘーラー女神に捧げる祝宴を執り行うのですよ。
- 何故君はその娘に指輪を与えるのですか?-おかしな人だ,君に何の関係があるのだね?
- 誰が敗戦の原因を為すのか?-将軍と衆愚政治家が敗戦の責を為すのである。
- 彼らの言語は何ですか?まさか彼らは異邦人なのではないでしょうね。
- 客人よ,汝は何のためにこちらへ来られたのですか?-善き人々よ,私は汝らの視察のために来たのです。
- 程なくとある客人たちが宴会にやってくるだろう。-その客人たちとは誰ですか?
- 節度とは何であるか?-ある種の快楽と欲望の自制である。
- 今の戦争についてあなたはどんな意見を持っていますか?
- ソークラテースの告発者たちが一体何の言葉によって彼は死に値するということをアテーナイの人々に説き伏せきったのだと,クセノフォーンはしばしば驚いていたのであった。
(注: «θαυμάζω» の語幹は «θαυμαδ-» であり,語幹がτ-黙音の場合は完了形を作る際それを落とすという音韻上の規則より(129), «ἐτεθαυμάκει» となっている) - ある者が言っていた,「私は哲学に向いていない」と。ディオゲネースは言っていた,「では何故君は生きているのだね?」
練習問題35
- τίνι (τῷ) τούτων τῶν σοφιστῶν πιστεύετε;
- τίνι (τῷ) τόδε τὸ ῥόδον δίδως;
- τίνος (τοῦ) ἕνεκα ἥκουσι (ἧκον?) αἱ κόραι (παρθένοι);
- θεωρίᾱς ἕνεκα ἥκουσι (ἧκον?) τῆς ἑορτῆς.
(注:練習問題34に倣うと「行った」も現在形になりますが,未完了過去でもかまわないとは思われます。時制の違いには疎いので,もし間違いがあればご指摘ください。) - τί δίκην δίδωσι οὗτος ὁ στρατηγός;
- τῆς ἥττης γὰρ αἴτιός ἐστιν. - τινὲς Ἀθηναῖοι φᾱσιν· «τοὺς νεᾱνίᾱς διαφθείρει ὁ Σωκράτης.»
練習問題36
- 敵は畑から収穫物を(自らのもとに)運び込む。
- 弟子よ,何故お前は悪行をやめないのだ?
- 人々はいつになっても戦争と戦いを止めないだろう。
- アレクサンドロスはキュドノス河へ行き,沐浴していた。
- 一方でまず第一に熟慮し,他方でそれから実行しなくてはならない。
- 激情を伴って躓かずに論議する者は誰もいない。
- 森で休息することは何と快きことであるか。
- ラケダイモン人たちは笛と共に出征していた。
- 我々は若者たちを大いに徳へと向けて教育するのである。
(注:中動相は強意的として取っています) - 我々は人々をその隷属から解放するであろう,そしてかの人々は自由を享受するであろう。
練習問題37
- παύσονται οὐ μετὰ πολὺν χρόνον (οὐ διὰ μακροῦ) τῆς μάχης οἱ πολέμιοι.
- ἀναπαύονται παρὰ τῇ θαλάττῃ τινὲς ναῦται.
- πρῶτον μὲν δεῖ τοῖς θεοῖς εὔχεσθαι, ἔπειτα δὲ εἰς τὴν τῶν πολεμίων χώρᾱν στρατεύεσθαι.
- ἐν ἐκείνῷ τῷ χρόνῳ οἱ ἄνθρωποι οὐ τῆς δοθλείᾱς ἐγεύοντο, ἀλλὰ τῆς ἐλευθερίᾱς.
- ἐν τούτῳ τῷ ποταμῷ λούεσθαι ἐβούλοντο.
練習問題38
- その者たちは我々を愛し,我々もまた彼らを愛する。
- 神は汝に善きものを与える;この故に汝は彼を愛し,彼に仕えるであろう。
- 私に責任があるのではない。君にあるのだ。
- 私はあなたの弟子であり,そしてあなたは私の教師である。
- 君に子供はいるかね?-私には息子が一人いるよ。
- 君達は私達を説得しないだろう;というのも私達は君達を信じていないからだ。
- 我々にとって涙とは苦悩と悪に対する薬である。
- 異なった人々には異なった好みのものがある(人それぞれに好みがある)。一方で我々の(好みの)ものは我々を喜ばし,他方で汝らの(好みの)ものは汝らを喜ばす。
- 君の兄弟はどこにいますか?-兄弟は私と一緒に家で安静にしています。
- 私達は明日,祭りの見物のために君達のもとへと行くであろう。
練習問題39
- οὐχ ἡμεῖς αἴτιοί ἐσμεν, ἀλλ’ὑμεῖς* έστε.
- τόνδε τὸν δακτύλιόν σοι, ὦ φίλᾱ παρθένε, παρέχω.
- χθές ἥξαν παρ’ἡμᾶς ἐπὶ δεῖπνόν τινες ξένοι.
- οἱ λόγοι σου οὐ πείσουσιν ἡμᾶς.
- ἐμοὶ φίλον ἐστὶν τὸ ζῆν, σοὶ δὲ ὡς οὐδέν, ὦ ποιητά.
練習問題40
- 彼らは川で沐浴し,神々に犠牲を捧げた。
- 敵は悪事をやめた。
- あなたたちは何を議論しているのですか?―私たちは何も議論していない,議論し終えたのだ。
- 多くの日々にわたって,我々は病のために水浴をしていなかったのであった。
- 果たしてソフィストの言葉はまだ止まないのか?-それはいつまでも止まないだろう。
- 何故彼らは扉を閉めてしまっているのか?
- ソークラテースはデーリオン,アムピポリス市,ポテイダイ市へと三度出征した。
- 兵士たちは敵の国へと進軍した。
- 市民たちは,もし敵が彼らに向かってやってきたならば,門を閉めきってしまうだろう。
- その者はアテーナイ人に対しての戦争を喜んで止めてしまうだろう。
練習問題41
- ἆρ’οὔπω πέπανται τὴς κακουργίᾱς οὗτος ὁ νεᾱνίᾱς.
- ἐν τῷ ποταμῷ τρὶς ἐλουσάμην.
- οἱ πολῖται τᾱς τῶν ἑαυτῶν οἰκιῶν θύρᾱς ἐκλείσαντο. οἱ γὰρ βάρβαροι ἐπέλαζον πρὸς αὐτούς.
- τοῖς θεοῖς εὐξάμεθα, ἔπειτ’ ἐστρατευσάμεθα (ἐπορεθσάμεθα) εἰς τὴν πολεμίᾱν χώρᾱν.
- ἅμα τῇ ἡμέρᾳ τοῦ πόλεμου πεπαύσονται.
練習問題42
- 悪しき者たちは互いを傷つける(互いに害を与え合う)。
- 賢き人は自身の中に財産を携える。
- 使者たちは,将軍が自分たちを送り出すのだと語っている。
- 自分自身を知ることは,知慧の小さな一部分ではない。
- 真実の友においては互いに対しての羨みはない(真の友人たちは互いに羨む心を持っていない)。
- 我々が我々自身のものであること以上に我々のものであるところのものは何もない。
- それぞれの人が自らに正義があるように思われる(各人が自分では正しいと思っている)。
- 将軍は自身の市民からの賞賛を有するのである。
- 同じ物に同一な諸物は互いに同一である。
- 今や市民たち自らが,彼ら自身においての不幸の責任がある。
練習問題43
- φαινόμεθα ἡμῖν αὐτοῖς δίκαιοι.
- ὑμῖν* συμβουλεύω, ὦ πολῖται, πιστεύειν ἀλλήλοις.
- ἐν τῇ μάχῃ ἀποκτείνονται ἀλλήλους οἱ ἀνθρώποι.
注:相互のニュアンスを出すために中道相にしましたが,能動相(ἀποκτείνουσιν)でもいいと思われます。 - ἐν τοῖς ἑαυτοῦ φίλοις τῑμὴν ἔχει.
- ταῖς κόραις φθόνος ἐστι πρὸς ἀλλήλᾱς. (αἱ κόραι πρὸς ἀλλήλᾱς φθόνον ἔχουσιν.)
練習問題44
- お喋りは今や多くの者を破滅へと導いた。
- 彼らはよその部族から外国の神々を導入した。
- そのものは戦闘において武器を投げ捨て,そして一方では死を逃れたが,他方では恥辱を逃れなかった。
- どの人も苦悩なしに人生を送ることはできない。
- スパルタ人にとって戦列を離れ去ることと戦いから逃れることは最も恥ずべきことであった。
- 彼は村人たちが村を立ち退くことを強いた。(彼は村人たちに村を立ち退くことを強いた。)
(注:対格不定法で訳したのを第一義にしていますが, «ἀναγκάζω» する対象は対格になるので括弧内でも問題ないはずです。) - 私(彼ら)は家に,あなたに似ている息子を残した。
- 僭主は死に,そして5日間の無法律があった。
- 兵士たちは穀物と葡萄酒に満ちた多くの村々を川沿いに発見した。彼らはその場所に3日間滞在し,糧秣を補充していた。
- 一方で彼らの内或る者たちは川にすぐ落ち,他方で他の者たちは逃れた。
練習問題45
- οἱ στρατητὸς ἐν τῇ κώμῃ τὴν φυλακὴν κατέλιπε καὶ εὐθὺς εἰς τὴν τῶν πολεμίων (πολέμιᾱν) χώμην τὴν στρατιὰν* ἠγαγε.
- ἐν τῇ μάχῃ ἔπεσεν ὁ έμὸς (ἐμοῦ, μοῦ) ἀδελφός.
- κελεύομεν ὑμᾶς εὐθὺς τὰς οἰκίᾱς καταλιπεῖν.
(注: «κελεύω» は練習問題44-6と同様になります。) - νομίζουσι ῶς αἴσχιστόν ἐστιν τὴν τάξιν ἀπολιπεῖν.
- οἱ μὲν ἀυτωον ἔφυγον, οἱ δὲ ἄλλοι ἀπέθανον.
(注:今回不定法を用いるべき状況は完了を主眼においているためアオリストを用いています。例:「退去することを命じる」=「退去し終えることを命じる」)
練習問題46
- 我々は水浴するよう命じられた。
- もし子供が水浴しなければ,私によって水浴させられるだろう。
- 夜明けまでに戸が閉められるだろう;というのも敵が近くにいるからだ。
- 夕方に家の戸が誰かに叩かれた。
- テミストクレースは彼が子供であった時に教師に驚かれていた。
- 敗戦の後,祖国の諸法は三十人政権(三十人僭主)によって廃止された。
- 古の人々のもとでは,時に人間が神々に対して犠牲に捧げられていた。
- 将軍は顔に向けて弓で射られ,死んだ。
- 詩人は最もよく哲学へと教育を済ませられている。
- 果たして手紙はあなたによって書き終えられたのか?―見よ,私は既にそれを書き終えているよ。
練習問題47
- ἐκλείσθη ἡ τῆς οἰκίᾱς θύρᾱ ὑπὸ τοῦ δούλου.
- εἰς τὴν ἀγορὰν* οἱ μαθηταὶ ἀχθήσονται ὑπὸ τοῦ διδασκάλου.
- ὅτε παῖς ἦν, ἐλουόμην ὑπο τούτοθ δοῦλου.
- ἐκελεύθην τοὺς πολεμίους διώκειν ὐπο τοῦ στρατηγοῦ.
- ἆρ’ αὕτη ἐπιστολὴ (ἤδη) λέλῡται τῇ ποιητῇ (ὑπο τοῦ ποιητοῦ);
(下書きのイオータが見づらいので下線を引いていませんが,「詩人」は可換です。)
練習問題48
- 馬は鞭で以て駆られている。
- オリーブ油は人々の髪にとって有用である。
- 私は追従者から逃れる;というのも彼らは欺くからである。
- トラキア人達は野蛮かつ好戦的であった。
- クセルクセース王は海を鞭で以て打つように命じていた。
- ホメーロスはパイアークス人たちとエチオピア人たちの平和を褒めている。
- 山羊たちは岩の上で走っている。
- 将軍は戦線を支配する;他方で戦線は将軍に従っているのである。(将軍は重装歩兵を統率する;他方で重装歩兵は将軍に従っているのである。)
- 伝令の言葉は恐ろしい。
- キュクロープスの島には多くの山羊と羊がいた。
練習問題49
- ὁ διδάσκαλος τοὺς κακοὺς μαθητοὺς τῇ μάστῑγι κολάζει.
- εἰς τὴν διῶρῡχα ἔπεσε ὁ παῖς.
- οὐ πιστεύουσι τοῖς κόλαξι οἱ δίκαιοι ἄνθρωποι.
- ἐν τῇ τῶν Φαιάκων* ωήσῳ αἱ παρθένοι ἦσαν πολλαὶ καὶ καλαί.
- ἀπὸ τῶν κλωπῶν φυλάττει αἶγας καὶ πρόβατα οὗτος νεᾱνίᾱς.
練習問題50
- 今日私は君たちを饗応する。
- ラケダイモン人たちは祖国の方を未だ尚利用している。
- 私たちはかの人に,何故私たちと友人づきあいすることを望んでいるのかと訪ねた。
- 市民たちは徳と知慧故に立法者を著しく尊敬していた。
- 将軍よ,市民たちは敗戦の故に君を攻めているのだ。敗戦の故に君は責められるのだ。
- あなた達にとっても私達にとっても最善のことを忠告しようと私は試みるのである。
- 兄弟が死んだので,娘は父祖から受け継いだ財産を持っていた。
- 我々は祝宴を観て,そして町の方へと家路についていた。
- かの人々はまずい計画によって敗れたのであり,敵の勇敢さによって敗れたのではなかった。
(注:「勝たれる」=「敗れる」)
- ヘーラクレースはアテーナイ人たちのもとで神の如く尊敬されていたのであった。
練習問題51
- ἑστιᾱθήσεσθε ὑπὸ τῶν πολῑτῶν.
- ᾐτιάσαντο* τὸν στρατηγὸν τῆς ἥττης.
- οἱ Ἀθηναῖοι ἐνῑκήθησαν ὑπὸ τῶν Λακεδαιμονίων.
- ἐπειρᾶτο τοὺς πολίτᾱς* πείθειν.
- τήμερον θεασόμεθα τὴν τῶν Ἀθηναίων ἑορτήν.
練習問題52
- その人は死に値する;というのも彼は祖国に敵対しているのだ。
- 戦争は今の面倒事の原因である。
- 金銭の困窮の故に,アゴラにいる人々は困っている。
- ゼウスにかけて,昨日私はある笑うべきことを被ったのだ;というのも私は自分の名前を忘れたのだよ。
- 一方で親切は親切を生み,他方で争いは争いを生む。
- 将軍たちは勝利の希望を兵士たちの勇敢さの中に持っていた。
- 若者達は老人たちの忠告に耳を傾けるだろう。
- 人々は不運の中で希望にすがる。
- 空しき望みよ,汝らは人々の魂を欺くのだ。
- 私たちは爪から獅子を,歌から鶯を,言葉から追従者を,声から伝令を,仕業から神を知るのである。
練習問題53
- πράγματα* εἴχον διὰ τὴν τῶν χρημάτων ἀπορίᾱν.
- ὦ νεᾱνίᾱ, ἔχεις τὰς κενὰς* ἐλπίδᾱς.
- παρ’ἡμῖν τῑμὴν ἔχουσιν οἱ γέροντες.
- Γιγνώσκω ἐξ ᾠδῆς ἀηδόνα τοῦτον τὸν (ταύτην τὴν) ὄρνῑθα.
- Ἀνακρέων ὁ ποιητής ἀεὶ τοὺς ἔρωτας καὶ τοὺς οἴνους ᾖδε.
(注: «ἀεὶ» の «ἀ» は長音)
練習問題54
- 一方で私達は善き市民たちを尊重するのであり,他方で悪しき市民たちを軽蔑するのである。
- 賢き人は後悔することはせず,備えるのである。
- 一方で彼らは真実を愛しているように見え,他方で真に愛しているのではないのだ。
- 勇気を持つこととは勝利することへの第一歩である。
- 愛は汝の魂を盲目にする。
- 何の故に市民たちは今日集会を開いていたのかね?
- 黄金は人々の魂を顕す(明らかにする)。
- 我々は神と共にあって何も惑わないであろう。
- 狐と鴉についての寓話は,鴉を信ずるべきではないということを顕す。
- もし害し害されることが必然ならば,私は害するよりも寧ろ害されることを選ぶのである。
練習問題55
- ὁ διδάσκαλος τῑμὴν ἔχει καὶ φιλεῖται ὑπὸ τῶν μαθητῶν.
- χρῡσὸς πολλάκις καὶ τὰς τῶν δικαίων (ἀνθρώπῶν) ψῡχὰς* τθφλοι.
- αὔριον τὴν ἐκκλησίᾱν ποιήσομεν.
- δὶα τί τοιοῦτο ἐποιήσας;
- ἐκέλευσε τοὺς στρατιώτᾱς μὴ φοβεῖσθαι τοὺς πολεμίους ἀλλὰ θαρρεῖν.
- 288
「リュラへ」
私はアトレウスの子について語りたいと思う,
そしてカドモスのことを歌いたいと思う。
しかし竪琴は弦で
愛の神のことしか響かせない。
近頃私は弦とリュラを全て取り替えた,
そして一方で苦闘を歌ったのである,
それはヘーラクレースの苦闘,他方でリュラは
愛を響かせるのである。
今後我々に機嫌よくあれ(さらば),
英雄たちよ;何故ならばリュラは
愛の神のことしか歌わないのだから。
(注:一応ヘーラクレースの行以外は各行対訳です。)
練習問題56
- スパルタ人たちは武器においてよく訓練されていたのであった。
- 魂は不死であると彼は信じていたのであった。
- 不運にあっては君に僅かな友人が残されるだろう(しか残されないだろう)。
- 若者よ,君は悪人たちによって説き伏せられてしまったのだよ。
- ドラコンの法は血を以て書かれていたのであった。
- アテーナイ人のデーモスは非常に多くの時間を自由の中で育てられたのである。
- 未来のことは,賢明にも神々によって人々に隠されていたのである。
- カルデア人のある者たちは,戦争で生計を立てるのが習わしであった。
- 子供は家の方へ連れて行かれた。
- そのことは賢者によって述べられた。
練習問題57
- αὕτη ἡ ἐπιστολὴ αἱματι ἐγεγραπτο.
- ποῦ ταῦτα τὰ δῶρα κεκρυπται (κεκρυμμένα εἰσί);
(注:中性複数名詞は3人称単数形の動詞を取る傾向にあります。なお,括弧内に示した現在完了中受動相分詞中性複数形κεκρυμμέναはκε-κρυπτ-μενα→(τ+μ=σμ)→
κεκρυπσμενα→(二子音間の-σ-の脱落)→κε-κρυπμενα→(π+μ=μμ)→κε-κρυμμεναという行程から生じます。) - οἱ στρατιῶται (ἤδη) ἐις τὰς Ἀθήνᾱς ἠγμένοι ἦσαν.
- εἰθίσμεθα καὶ ἐν τῇ σθμφορᾷ θαρρεῖν.
- ἐπέπειστο θεὸν τὸν ἥλιον.
練習問題58
- 万物の尺度は人間である。
- アテーナイ人たちはペロポンネーソス軍と一晩中戦っていた:というのも月が輝いていたからだ。
- 人々はしばしば心にもなく間違いを犯す。
- 全ての人々に理性があるわけではない。
- 時間はあらゆる苦悩の医師であると詩人は言っていた。
- ドラコンの成文法では,全ての罪に対して一つの罰,すなわち死罪が定められていた。
- サラミスにおける海戦は,戦争全体の転機を成した。
- 全ての動物は死すべきである;ところで全ての人間は動物である;従って全ての人間は死すべきである。
- 自然は全ての人間に見事な贈り物を与えるわけではない。
- イーフィゲネイアよ,汝はギリシア全土のために心にもなく死ぬではないのだ。
練習問題59
- πάσᾱς* τὰς τῶν οἰκιῶν θύρᾱς ἐκλείσεν.
- πᾶσι τοῖς μαθηταῖς δῶρα χαρίεντα δίδωσι.
- οῦκ ἡδέως τοιοῦτο ἐποιήσαμεν.
- οἱ στρατιῶται ἄκοντες* τῇ στρατιᾷ πολεμίᾳ ἐμάχοντο.
- πᾶσαι αἱ Μοῦσαι τῇ ᾠδῇ τέρπονται.
続く
(編集ログ)
2019年6月7日:また停止していて申し訳ないです。
2019年1月23日:練習問題39,41,43のいくつかのミスを修正し,別解を追加しました。
2019年1月21日:練習問題22~37のいくつかのミスを修正しました。
2019年1月18日:練習問題29~31と§163のいくつかのミスを修正しました。
2019年1月9日:練習問題23-5の複合動詞の未完了過去がおかしなことになっていたので修正しました。
2019年1月8日:ご無沙汰しております。練習問題19のタイプミスを修正しました。何度目になるかもうわからないのですが,改めてやり直してますので,しばらくしたら更新できると思います。
2018年8月27日:諸事情あってリンク先を変更しました。本編の更新がなくて申し訳ありませんが,少し落ち着いたらやります。
2018年1月21日:練習問題58,59(第31課)を追加しました。
2017年12月27日:練習問題56,57(第30課)を追加しました。だんだん難しくなってきた。
2017年12月25日:練習問題52,53(第28課),並びに54,55(第29課),加えて§288(アナクレオーン風歌謡)を追加しました。
2017年12月16日:練習問題48,49(第26課),並びに50,51(第27課)を追加しました。
2017年12月15日:練習問題46,47(第25課)を追加しました。凡例に則り多少全体を書き換えてます。
2017年12月12日:練習問題44,45(第24課)を追加しました。今回からテキストをそのまま貼り付けていますが,PDFファイルも毎回更新してます。
2017年12月10日:練習問題42,43(第23課)を追加しました。
2017年12月9日:練習問題40,41(第22課)を追加しました。
2017年12月8日:練習問題38,39(第21課)を追加しました。
2017年12月2日:練習問題34-9で過去完了の訳出の問題点についてご指摘を頂き,訂正しました。ありがとうございます。
2017年12月1日:練習問題36,37(第20課)を追加しました。
2017年11月30日:練習問題34,35(第19課)を追加しました。今回からギリシア語をNew Athena Unicordに変更しました。もし見づらさがあれば戻します。
2017年11月28日:すごく久々ですが練習問題32,33(第18課)を追加しました。少しずつまた増やしていけるよう頑張ります。
2017年4月25日:講読の授業が忙しくなったので一旦中断します...
2017年3月10日:練習問題30,31(第16課)ならびに§163(第17課)を追加しました。
2017年3月9日:練習問題28,29(第15課)を追加しました。果たして終わるのでしょうか。
2017年3月1日:練習問題26,27(第14課)を追加しました。
2017年2月27日:動詞のアクセントの後退性をすっかり忘れてました。一通り直しましたけどまだある気がします。練習問題24,25(第13課)を追加しました。
2017年2月23日:練習問題20~23(第11, 12課)を追加しました。注意書きを加筆しました。
2017年2月22日:練習問題18,19(第10課)を追加しました。注意書きを加筆しました。練習問題15-3,「詩人のποιητοῦ」が何故か「市民のπολῖτου」になってたので直しました;15-4 "πολῑτῶν εὐεργέτᾱς"は定冠詞を取るべきな気がしたので外したのと,スペルミスを直しました;17-2 "θύρᾱν"のアクセント位置がおかしかったので直しました;17-3 "ἡσυχίᾱν"に余計な曲アクセントがあったので削除し,"ἦγον"が誤って鋭アクセントになっていたので直しました。
2017年2月21日:院試に受かったので再開します。とりあえず今日は訂正だけ;練習問題11-4で,プロクリティック"ἐκ"に誤って鋭アクセントを付けていたのと,"πέμψει"に鋭アクセントを付け忘れていたこと,13-5で"παρὰ"の重アクセントを鋭アクセントにしてしまっていたのを修正しました。
2016年10月21日現在:ちゃんと生きてます。が、卒論と院試でギリシア語に時間が割けなくなりました…続きは2月後半までお待ちください…
2016年8月5日:練習問題14~17(第8,9課)を追加。注意書きを修正。
2016年8月2日:練習問題12~13(第7課)を追加;練習問題5(3)を疑問形にしていなかったのを訂正し,(4)の"?"を";"にする
2016年7月31日:練習問題4~11(第3~6課)まで作成